「健康の日フォーラム2025」開催!国・企業・自治体が集い、日本を元気にするヒントが満開に
世界保健機関(WHO)が定める4月7日の「世界保健デー(World Health Day)」に合わせ、 “健康”への関心を高める取り組みとして、昨年に引き続き「健康の日フォーラム」を開催いたしました。
2回目となる今年は、4月4日に東京・日本橋で開催。
関係省庁、企業、自治体や関心なある方が一堂に会し、健康を軸とした実践や未来への展望が共有されました。
体験型ブースも多数出展され、昨年に続き満員御礼。さらなる進化へと盛り上がりを見せるイベントとなりました。
第1部:つながる力で、広がる健康づくり ― 国の取組み
冒頭、公益社団法人 日本WHO協会 中村安秀理事長が登壇し、世界保健デーのテーマ「健やかなはじまり、希望のある未来へ」に触れつつ、日本発祥の母子手帳の意義を紹介。健康とは社会全体で支えるものであり、「健康の日」が人々の明日への活力になることを願うメッセージが印象的でした。
続いて、特定非営利活動法人 健康経営研究会 岡田邦夫理事長が開会挨拶を行いました。「健康経営3.0」に必要な視座として「人的資本の変革」「高齢化の進化」「共創社会の実現」を提言。高齢化を“進化”と捉え、セルフケアや人的資本投資の重要性、「心の健康」への注目など、未来に向けた健康づくりの在り方について語りました。
その後、厚生労働省 健康・生活衛生局健康課 女性の健康推進室 谷口倫子室長が、「健康日本21(第三次)」に基づく施策を紹介。運動、睡眠、骨粗鬆症検診、禁煙など51項目の目標を掲げ、「誰一人取り残さない健康づくり」を12年間で推進する方針が示されました。
次に、経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課 橋本泰輔課長が登壇。健康経営優良法人で働く人は約876万人に上り、健康経営2.0では「人的資本の価値向上」が主軸に。心理的安全性や心の健康支援、女性の健康課題への対応など、多角的な取組みが紹介され、中小企業支援や若年層・国際展開に向けた展望も語られました。
最後に、農林水産省 大臣官房 参事官(兼消費・安全局)横山博一氏が「食育の推進に向けた取組状況と課題」を報告。食育基本法に基づく普及活動、学校教育での指導強化や朝食・栄養バランス、地産地消の推進が進められており、企業における大人の食育も今後の注目テーマとして挙げられました。
関係省庁の多様な取り組みから、健康づくりに対する思いや工夫が感じられた第一部でした。

体験して、感じて、もっと身近に健康を
セミナーの前後には、来場者が“楽しみながら健康を体験できる”ブースイベントを開催。
今年は21の体験ブースが設置され、毛細血管の状態チェックや電動歯ブラシ体験、企業向け置き食サービスの紹介、整体の無料体験施術、バランス力・転倒リスクの測定など、からだのことを「知る」「感じる」コンテンツが揃いました。来場者とブース出展者との会話も弾み会場内は活気に溢れ、自身の健康を振り返る機会となりました。
そして今年も、会場に咲いた“桜の木ボード”には、参加者が自分自身の「MY健康宣言」を花びら型のカードに書いてペタリ。宣言の花が満開に咲き誇り、会場全体があたたかな春の空気に包まれました。
第2部:みんなで育てる健康のカタチ ― 企業・自治体のチャレンジ
第2部では、「健康を軸とした各分野の取り組み事例」が紹介されました。企業事例として登壇したパナソニックの日光崇裕氏は、生活習慣病や精神疾患への対応を目的に、社員出演の研修動画や自社製品を活用した口腔ケア施策、メンタルヘルス研修と掛け合わせた料理教室など、ユニークで自社らしい取り組みを展開。部門を超えた連携体制も注目されました。
続いて、東海大学の酒井洸典助教より、健康経営度調査票の自由記述データを用いた研究結果が発表されました。上位企業では「従業員の生産性」や「主体性」に対する意識が高く、制度の継続的な評価・改善や、企業ミッションとの連動を重視する傾向が明らかになりました。今後は、科学的根拠に基づいた介入や、健康経営を担う人材の育成が重要になると提言されました。
自治体事例では、愛媛県西条市の高橋敏明市長が登壇。健康経営の可視化と職員・市民の満足度向上を目指す組織運営が紹介され、「健康経営都市宣言」や地元企業の認定制度構想など、地域ぐるみで健康経営を進める姿勢が語られました。
また、サントリービバレッジソリューションの圖師淑隆氏は、健康の日サポーターとして「健康=我慢」というネガティブな印象を払拭し、「楽しい」「簡単」といったポジティブな視点で健康習慣を促す施策を紹介。自販機を活用した仕掛けや、本イベントで配布された記念缶も取り上げながら、「健康の日」を母の日のような存在に育てていきたいという普及ビジョンが語られました。
最後に、健康の日コンソーシアム代表の守谷祐子氏が登壇。昨年以上に健康の輪が広がっていることを実感したと振り返り、今後も、職域・地域・社会全体に健康経営を波及させる取り組みを「ワンチーム」で推進していくこと、コンソーシアム企業間のリアルな情報交換の場を大切にしながら、引き続き「健康の日」の認知を広げていくことが呼びかけられました。

国や企業がそれぞれの立場から健康づくりへの想いや実践を発信し合う本フォーラムは、今回更に多様な視点が交わる貴重な場となりました。多くの皆さまにご参加いただき、大盛況のうちに幕を閉じました。
4月7日の「健康の日」が、健康について気軽に話し合えるきっかけとなり、日々の暮らしに前向きな一歩をもたらせたら嬉しく思います。 来年も、思わず誰かに話したくなるような企画をお届けできるよう準備を進めてまいります。
次回のフォーラムでまたお会いできる日を楽しみにしています!